企業のAI利用は拡大基調
サイボウズが公開した「企業におけるAI活用実態調査」の第2弾では、今後3年間のAI利用方針について、回答企業の70%が利用を増やす意向を示した。内訳は「大幅に増加」が23%、「やや増加」が47%だった。
一方、利用拡大を支えるコスト管理や業務システム連携は十分に整っていない。調査結果からは、AI導入後の運用を左右する複数の課題が見える。
壁1:全社横断のAIコスト管理
AIツールやAIエージェントのコストを「部門・プロジェクト単位では把握しているが、全社では把握していない」とした企業は32%だった。「全社で一元的に把握している」は29%にとどまる。
コスト増加への対応状況では、「対応を検討・調査中」が44%で最多だった。「予算計画・管理の仕組みが既に整っている」は14%だった。
AI予算の位置付け
- IT予算・DX予算の一部:53%
- 事業部門・機能別予算の一部:23%
- AI活用予算として独立:20%
事実として、AI費用を独立予算にしている企業より、既存のIT・DX予算に含める企業の方が多い。
壁2:ガバナンス整備後の運用
AI利用に関するガバナンスは、「整備済み・現在運用中」が51%で過半数を占めた。「策定中・検討中」は27%、「基本的なルールを整備」は16%、「予定はない」は7%だった。
社内で利用を認めているAIツールは、Microsoft Copilotが66%で最多だった。続いてChatGPTが46%、Google Geminiが33%、Claudeが14%となった。
調査で挙げられた主要ツール
- Microsoft Copilot:社内で利用を認める企業が66%
- ChatGPT:46%
- Google Gemini:33%
- Claude:14%
これらは導入率ではなく、社内で利用を認めているツールについての回答である点に注意が必要だ。
壁3:主要業務システムとの連携
業務系システムとAIの連携状況は、「一部システムと連携」が31%、「連携を計画・検討中」が25%だった。「主要な業務システムと連携」は11%にとどまった。
全社でのコスト一元管理は29%、コスト増加に対応できる予算管理の仕組みは14%、主要業務システムとの連携は11%だった。記事は、AI利用の拡大に対して管理面の整備が追い付いていない状況だと分析している。
調査概要
調査は2026年7月6~9日に実施された。従業員1000人以上の企業・団体に所属する経営者およびIT・DX関連担当者を対象とし、551社から回答を得た。
編集上の整理
以下は調査結果を踏まえた整理であり、調査が直接示した事実とは区別する必要がある。AI活用を全社規模へ広げる際には、利用可能なツールを定めるだけでなく、費用の集約、予算管理、既存業務システムとの接続を同時に設計することが論点になる。



