生成AIで災害時の状況マップを短期開発
人流データを提供するunerryは、令和8年熊本地震の発生後、約2週間で被災状況を可視化するダッシュボードを開発した。開発の経緯は、CEATEC 2026のカンファレンスで紹介された。
同社は、利用者の許諾を得てスマートフォンアプリから収集した位置情報を基に、国内840億件以上の人流データを保有している。今回のダッシュボードでは、このデータを災害対応に活用した。
開発体制と表示した情報
unerryのチームは、防災科学技術研究所の研究者と連携してダッシュボードの初期版を開発した。画面上では、熊本県内で人が集まっている場所を抽出し、人流や道路状況などを地図上で確認できるようにした。
記事で示された主な要素
- 人流データ:スマートフォンアプリから許諾を得て収集した位置情報を利用
- 地図表示:県内で人が集中している場所を可視化
- 道路情報:道路の通行状況など、取得可能な情報を重ねて表示
- 開発期間:地震発生から約2週間で構築
生成AIだけでは現場で使える形にならない
記事では、生成AIによってプログラムを書き、ソフトウェアを短期間で構築できても、そのまま実務に役立つとは限らない点が示されている。
初期版を現地へ持ち込んだところ、被災地側から「これでは被災者は何も使えない」という趣旨の厳しい指摘を受けた。開発側が表示可能なデータを中心に設計した一方、現場が必要とする用途との間に隔たりがあったためだ。
改善を重ね、災害対策本部での活用へ
チームは現場からの指摘を踏まえて改良を重ねた。その結果、ダッシュボードは熊本県災害対策本部が取り込む資料の一つになるまでに至った。
事実として読み取れる要点は、生成AIによる短期開発だけで完結せず、利用現場からの反応を基に機能や見せ方を調整する工程が必要だったことである。
FDE型の進め方が担った役割
講演のテーマには、顧客や利用現場の近くで開発を進めるFDE(Forward Deployed Engineer)が掲げられていた。本事例では、開発チームが防災分野の研究者と連携し、現地の意見を受けながらダッシュボードを改善している。
編集部の見方:この記事の事例は、生成AIを開発速度の向上に使いつつ、実用性については現場との反復で確かめる必要があることを示すケースと整理できる。



