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国産LLM「PLaMo」に見る官公庁・教育・採用での活用設計

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Preferred Networks(PFN)が開発する国産大規模言語モデル「PLaMo」は、官公庁、自治体、教育、採用、製造業などへ用途を広げている。本稿では「CEATEC 2026」で紹介された事例を基に、各ツールの機能と使い方、用途別の設計ポイントを整理する。

PLaMoとは

PLaMoは、PFNが海外モデルをベースにせず一から開発した大規模言語モデルだ。同社はAI半導体「MN-Core」から基盤モデル、アプリケーションまでを自社で手掛ける垂直統合を掲げており、PLaMoをその中核に位置付けている。

官公庁・自治体での活用

PLaMo翻訳とPLaMo 2.0 Prime

デジタル庁の政府向け生成AI基盤「源内」では、2025年12月からPLaMoベースの「PLaMo翻訳」が利用されている。2026年3月には「PLaMo 2.0 Prime」が試用モデルに選ばれた。

QommonsAI

Polimillの行政向け生成AIプラットフォーム「QommonsAI」にもPLaMoが搭載されている。同サービスは約800の自治体が導入しており、利用者は使用モデルとしてPLaMoを選択できる。

  • 市民から届いた長文の意見を読む作業に使う
  • 意見に対する返信案を作成する

ELDA β版

第一法規の「ELDA」β版は、同社の法情報コンテンツを根拠に回答を生成する。PLaMoを採用し、自治体向けのオンプレミス環境で稼働している。

オンプレミス構成

記事によると、官公庁、研究機関、製造業では、データを外部クラウドへ出さないためにオンプレミス利用を求める声が多い。エフサステクノロジーズのGPUサーバ「PRIMERGY」にPLaMoを事前搭載し、社内データを利用するアプリケーションと組み合わせて提供する構成もある。

教育分野での活用

AI文章指導サービス「ろんじろう」

「ろんじろう」は、生徒が入力した小論文や作文をAIが約1分で添削し、具体的な助言を提示するサービスだ。2026年3月に「AI添削 小論文対策コース」として提供を開始した。

PLaMoは、文章の論理がつながっているか、本人の実体験を交えているかなど、教員の観点に沿ったフィードバックを担当する。修正版を入力すると、前回指摘した箇所が直っているかも確認する。

一方、評価観点の設定や、書けない生徒に提示する材料の選定は、モデル外部のアプリケーションが担う。PFNは、モデルに任せる処理とアプリケーション側で作り込む処理を分けることが重要だとしている。

PLaMo Chat

滋賀大学は2026年4月から、全学生と教職員へチャットサービス「PLaMo Chat」とPLaMo翻訳を提供している。

採用面接での活用

タレスカAI面接

「タレスカAI面接」では、AIアバターが応募者と対話し、志望動機などへの回答を踏まえて追加質問をその場で生成する。面接後には次の情報を出力する。

  • 総合点と指標別の評価
  • 応募者の強みと弱み
  • 評価理由
  • 次の面接官への申し送り

沖縄セルラー電話などが新卒採用に導入している。繁忙期には大量のリクエストを処理するため、面接処理にGPTやGeminiを使う場合もある一方、標準の8つの基礎能力の評価にはPLaMoを活用している。

PFNによれば、自社開発モデルは性能とユースケースの相性を把握しやすく、用途ごとにモデルを使い分けられる。評価分析は面接中の応答ほど即時性を必要とせず、品質が重視されるため、PLaMoの強みを生かせるという。

画像と文章を扱うPLaMo-VL

「PLaMo-VL」は、画像と言葉を同時に扱う視覚言語モデルだ。展示では、画像内の物体と質問の意味を組み合わせて答えるデモが行われた。

想定用途は、工場作業者の手順を映像から認識し、改善点をレポートとしてまとめることだ。

フィジカルAIの実機デモ

自律搬送ロボット「カチャカEvo」

PFN子会社のPreferred Roboticsは、業務向け自律搬送ロボット「カチャカEvo」の販売を2026年10月1日に開始した。最大100kgの荷物を運べる。

実演では、指定された棚まで自律移動し、棚を持ち上げて運搬した後、元の位置へ戻した。工場で車輪をロックしたまま荷物を管理する場合を考慮し、台車や棚の下へ潜り込んで持ち上げる方式を採用している。

用途別設計の要点

記事で示された事実を整理すると、PLaMoの使い方は単一モデルへの統一ではなく、処理の要件に応じた役割分担になっている。

  • 機密データを扱う用途:オンプレミス環境で運用する
  • 日本語の文脈理解が必要な用途:小論文の添削や評価にPLaMoを使う
  • 評価基準や支援方法の制御:モデル外部のアプリケーションに実装する
  • 大量処理が発生する用途:GPTやGeminiを含めてモデルを使い分ける
  • 画像認識を伴う用途:PLaMo-VLで映像や画像と指示を処理する

出典

ITmedia AI+「広がる『国産AI』活用事例 PFNの『PLaMo』にみる“ハマりどころ”」