IOWNがフィジカルAIの実用段階へ
NTTが推進する次世代通信基盤「IOWN」は、概念実証から社会実装へ向けた段階に入りつつある。IOWN Global Forumの年次総会では、遠隔音楽ライブに加え、モビリティ分野のデジタルツインや車載AIなど、具体的な利用場面が示された。
記事で中心となるのは、車両内のAIとクラウド上のAIを低遅延ネットワークで連携させる構想だ。車両が周囲の状況を即座に判断しつつ、遠方など車載センサーだけでは把握できない情報をネットワーク経由で補う。
構成する技術と役割
車載AI
車載AIは、車両のセンサー情報を基に周辺状況を判断し、運転判断へ素早く反映する。道路上の障害物や複雑な交通状況では、クラウドからの応答を待たずに処理する必要がある。
クラウドAI
クラウド側では、個々の車両からは見えない広域情報などを扱う。学習済みの車載AIが目の前の情報を処理し、クラウド側の情報をネットワーク経由で組み合わせる形が想定されている。
IOWN
IOWNは、車載AIとクラウドAIをつなぐ低遅延の通信基盤として位置付けられる。記事によれば、5Gによって無線区間の遅延は小さくなった一方、基地局からデータセンターまでの固定網にも遅延が残る。固定網側の遅延を削減し、端から端までの応答を高速化することが狙いだ。
想定される使い方
- 車両のセンサー情報を車載AIが処理する
- 車載AIが目前の状況について運転判断を行う
- 車両から見えない地点の情報をネットワーク経由で取得する
- 車載AIとクラウドAIの情報を組み合わせ、判断を補完する
記事の説明では、このように専用AIと汎用AIを遅延なく接続するには、IOWNのような低遅延ネットワークが不可欠とされている。
標準化団体との連携
IOWN Global Forumは、モビリティ分野のデジタルツイン構築に向け、5GAAとAECCとの連携を進めている。5GAA、AECC、IOWN Global Forumはいずれも、単なる技術標準の策定ではなく、技術の実用化に向けて具体的な形を作ることを使命としている。
また、2030年を見据えた6Gの標準化はITUで進められている。記事では、各標準化団体へ実装例を提示することも、IOWNの社会実装につながる取り組みとして説明されている。
事実と今後の見通し
記事で確認できる事実:IOWNの利用例は概念実証を中心とする段階から、フィジカルAIを含む社会実装へ進み始めている。モビリティ分野では、車載AIとクラウドAIを低遅延で接続する基盤としてIOWNの活用が検討されている。
今後の見通し:車両とクラウド間の固定網を含めた遅延削減と、関連団体による実装例の具体化が、実用化を進める上での焦点になると記事から読み取れる。



